散文3.部屋と頭の中
「部屋の中は頭の中と同期しているから、思考を整理するためには部屋を綺麗にしなさい。」とは、よく聞く話だ。
とても的を得ていると思う。我ながら思うところだが、最近の僕の部屋はとても汚い。
20冊くらいは散乱してしまっている。しかもそれらを整える術を僕は持ち合わせていない。
ただただ、不可思議に積み上げられた本の塔が脆弱でないことを祈るしかできなくなっている。年末の大掃除が今からとても怖い。
しかし、意を決して自分の精神状態を知るためにも、積まれた本の内容を分析することにはしよう。
さて、おおまかに分類すると「読んだ後に置きっぱなしのもの」「読むと他の作業が捗りそうなもの」「いつかは読まなくてはいけないもの」「借りてよんでいないもの」と様々あることがわかった。
まさに今の状況と似通いすぎて苦笑してしまう。
やるべきことはあるが切羽詰まっているわけではなく、あれやこれやとオススメされてしまうので、そのすべてを消化しきれていないのだ。
時間が有限だということは百も承知だけど、ついつい「読もうと思えば時間は作れるよな」と思ってしまうのだ。計画性が無いわけではなく、その計画が浅はかすぎて役に立っていない。
最終的には「頭の中がいつかすっきりする頃には、きっと机も綺麗になっているのだろう」と逆に考えることにした。
つまり、嫌でも時の経過とともに物事が終わっていけば、おのずと部屋も綺麗になるだろう、というわけだ。
これが愚策だったかどうかは、大掃除のときにでもわかるのだろう。